会長挨拶

会長挨拶記述

商品開発・管理学会 第12期会長挨拶
                                                                     冨田健司        
                                                                          (同志社大学商学部教授)

 

商品開発・管理学会は文字通り、商品の開発と管理に関してさまざまな研究を行っております。商品は物財に留まらず、無形財も対象となります。たとえば、金融商品は無形の商品で、本学会の研究対象ですし、サービス財も対象です。私たちの生活において、電車・バスに乗ったり、大学で授業を受けたり、美容院・理容院で髪を切ってもらったり、クリニックで治療してもらったりと毎日、たくさんのサービス財を消費しています。同様に、企業は会計士・税理士、経営コンサルタント、弁護士などから専門的知識を提供してもらっており、これらはサービス財、あるいは知識財と捉えられ、こちらも全てが本学会の研究対象です。そのため、本学会は人々が日常の生活を送ったり、企業が事業を運営する際に不可欠な商品(広義の商品)の開発と管理を通じて、より快適になること、より効果的・効率的になることを目的としているとも言えます。そのため、本学会では、マーケティングなどの商学分野や、経営戦略論・経営組織論などの経営学分野からのアプローチが多いですが、デザインや技術に関する工学的なアプローチや、農学からのアプローチもあります。多様な研究分野からの多面的なアプローチが期待できます。
本学会は年間2回の全国大会を行っております。1回は対面で、もう1回はオンラインですので、遠方からでも気軽に参加することができます。また、学会誌は年間2号を発行しております。全国大会での研究発表の中から「優秀発表賞」を大会ごとに、そして学会誌の査読付き論文の中から「優秀論文賞」を隔年で選出しております。会員の皆様におかれましては、こうした学会賞を目標に研究発表や論文執筆を行っていただくこともできます。
また、本学会は付属研究所を設置しているのが特徴的であり、毎年公開セミナーを開催しております。学会の全国大会同様、基調講演や報告を行い、実務家をメイン・ターゲットとしているので、商品の開発と管理に関するヒントが得られ、企業で働く方々の問題の解決に有益です。そのため、公開セミナーは毎回、多くの実務家の方々に大好評です。この公開セミナーは研究者にとっても示唆に富む内容ですので、今後は実務家と大学教員との知識の融合をより図っていきたい所存です。
本学会に関心を持たれました方は、ぜひ入会していて頂ければ幸いです。既に会員の方々も、これから新しく会員になられる方々も、本学会での活動を通じてのますますのご活躍を祈念しております。